現在日本で梅毒が増加していることは、
以前のブログでもご紹介いたしました。
梅毒流行の原因は様々ですが、
その一つに「日本には梅毒に一番効く抗菌薬(抗生物質)がない!」
ことがあげられます。
日本の梅毒治療は世界的に見て遅れている?
日本は先進国でどんな抗菌薬もある、と思われる方が多いですが、
そんなことはありません。
世界的には、「たった一回の注射」で治療が終了します。
それに対し日本では、「1日3回の抗生物質を1か月間」かかります。
「たった一回の注射」とはPenicillin G Benzathine (Bicillin バイシリン® L-A) という抗生物質です。
30日間1日3回飲み続けるのと、
1回の注射では、かなり違いがありますよね?
なぜこんな重要な抗菌薬が日本にはないのか?
実は、以前は日本でも発売していましたが、
アナフィラキシーショックと考えられる副作用のため、
死亡事故が起こってしまったため、
発売中止となってしまいました。
アナフィラキシーショックは、
どんな薬剤にでも起こりうるリスクであり、
このバイシリンが特に危険な薬だった、
というわけではないと考えられています。
感染症医が国に働きかけています
梅毒が急増しているいま、
日本でも再度この薬の製造・承認を求めて、
感染症医が厚生労働省へ働きかけをしています。
一日でも早くこの抗菌薬が日本でも使用できるようになることを望みます。

佐藤 昭裕

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