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新たな「性行為(セックス)とコロナ」関連情報がでてきました。もう第3弾になります。
今回ご紹介するのは、「精液中にコロナウイルスがいた」というものです。
”Clinical Characteristics and Results of Semen Tests Among Men With Coronavirus Disease 2019”
JAMA Netw Open. 2020;3(5):e208292. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.8292
中国からの論文です。
「新型コロナウイルス感染症と診断された男性患者38人(うち有症状者15名、回復後23名)の精液を検査したところ、6人(有症状者4名、回復後2名)の精液から新型コロナウイルスが検出された」という論文です。
ここで注意しなければならないことは、「精液中にコロナウイルスがいた」ということが、「精液によってコロナがうつる」ことではないということです。
どのようにコロナウイルスを本論文で検出したかの記述はなく、検査方法は明らかになっていないのですが、一般的にはPCR検査やウイルス培養という検査になります。
PCR検査はウイルスの遺伝子片を調べるもので、「ウイルスの死骸」のようなものが残っていただけでも陽性になってしまいます。
ウイルス培養は、「生きているウイルス」がいたときに陽性となります。もしウイルス培養が陽性だったとすると、精液からコロナウイルスがうつってしまう可能性がでてきます。
これまでジカウイルスやエボラ出血熱などの感染症が、性行為関連感染症(性病)としてあり得ることがわかっています。
今後「性病としての新型コロナウイルス感染症」を証明するには、明らかに性行為でうつった、という事例の蓄積と、先ほどお話ししたウイルス培養を行い、ウイルスに増殖能力があることを調べる必要があります。
もしも「セックスで感染するらしい」ということがわかれば、次は「どのくらいの時期から、どのくらいの時期まで感染性があるか」を調べる必要がでてきます。
これがわかれば、コロナにかかったあとは、どれくらいセックスをしてはいけないか、ということも言うことができるのです。
ということで、精液中にコロナウイルスがいる、もしくはいたことはわかりましたが、これが他人へうつす可能性があるかはまだわからない、というのが現段階でいえることです。
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