- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
性感染症が心配で受診したこと、誰にも知られたくないと思います。
当院の診療に関して、患者さんよりお褒めのお言葉をいただけることがございます。その中の一つに、「個人情報に配慮している」と言う観点のものです。このお言葉をいただくとスタッフ一同大変嬉しい気持ちになるのは、「患者さんの診療情報・個人情報を守る」ことを全スタッフが大切にしているからです。
記事によれば、「患者の家族に対して患者の許可なく患者さんの情報を開示した」と言うことの責任を医師が問われたものです。この判決には、様々な意見やコメントが出ているようです。改めて全スタッフに「患者さんの診察情報・個人情報を大切にする」ことをより意識し、実践していくよう指導して参ります。
そもそも何故その情報を守ることを重要と私どもが考えるか示しておきます。
医師・医療者に課せられた守秘義務という義務があるからです。
性感染症の診療において、個人の性行動を聴取することは適切な医療を提供する上で必要不可欠です。ただし、第三者に自らの性行動など通常開示することなどありません。医療者である私たちはより良い医療につなげようと、お伺いしているものですが、患者さんとしては、思いのほか医師に踏み込まれたといった不快な気持ちを抱くのではないかと常々危惧しております。
患者さんの気持ちに寄り添い・配慮することによって、皆さんに少しでも安心していただけるのではないかという思いから、最大限の配慮があって然るべきだと当院は考えております。そのお気持ちは少しでも軽いものにしたいと可能な範囲で配慮を怠ってはならないと私たちは考えております。
それでも、性感染症診療においてよく患者さんから以下のようなお声をいただきます。
「保険診療で家族や会社にバレませんか?」「検査したことをPartnerにバレたくない」「今話した内容、風俗に行ったなんてどうして問うのですか?」と言う心配の声をよく伺います。
私たちの配慮とは何か?ここでは具体的に当院で実施している医療情報の取り扱いに関する取り組みについてお示しします。
保険証を利用すると、個人の情報が家族や会社にバレるのではないか?そのようなご質問をいただくことが最も多いです。詳細はこちらのブログでもご確認いただければと思いますが、保険証の利用によって、年末近くに主に医療機関名と受診日・さらに診療費(いくらかかったのか)が、年間の記録が保険証の扶養家族の保険証の主に届きます。診療内容はそこに添付されません。
当院の場合ですと、性感染症の診療を受けたとしても、当院は発熱外来や一般的な生活習慣病の診療もかなりの割合で診療しており、当院受診=性感染症診療と紐づける事は困難かと思います。そのため症状があるような患者さんは積極的に保険診療を安心してご利用いただいております。
生年月日やお名前などで個人かどうかを確認する場合も世の中にはあるかと思います。一方で、これらの情報のみで電話口の相手が患者本人かどうか特定する事はできないのではないかと私どもは考えております。
医療情報は、非常に重要な個人情報であり、その確認方法は脆弱で他者に情報が漏洩してしまうことを懸念しております。そのため、原則電話での結果説明は致しておりません。皆さんの負担のかからない方法で、具体的には登録いただいているアプリやメールなどを介して患者さん自身が登録した媒体への結果通知をするなど、医療情報保護と利便性を追及しながらご案内することに努めております。
いくら家族に来院を認識されなくとも、受診している他の患者さんにも極力来院を知られたくないと言うことがあると思っております。受診時に皆様に番号札をお渡し、院内で他の患者さんにお名前を認識されることはなく過ごせるように最大限の配慮をさせていただいております。
診察室内では医師よりお名前の確認はさせていただくことはございますが、その情報を守ることも医師の守秘義務という義務によってお守りすることをお約束いたします。
当院は感染症専門医である以前に、一内科医として総合内科専門医という資格を保持した内科全般を広く診療することに長けた医師が多数在籍しております。そのため、性感染症以外にも多彩な内科診療(かぜ・高血圧・健診の結果異常の相談など)に従事しております。
そのため、性感染症への懸念があり受診される方の隣にいらっしゃる患者さんは、全く異なる事項で受診していることが日常的です。「性感染症のクリニック」という側面だけではないため、あまり自身が性感染症を懸念している・周りも同様というように思わずに安心してご来院されるとよろしいかと存じます。
性感染症の診療の問診では、5つのPが重要といわれております。
で、診断に寄与するといわれております。実際に限られた診療時間内で全てを診察室内で事細かに確認するのは、患者さんにとって不快なこともあります。それらを事前にweb問診で確認し、プライバシーのみならず皆さんのお気持ちへの配慮と適切な診療が両立できるように努めております。
以上、簡単ではございますが、性感染症患者さんがお持ちの個人情報の取り扱いに関する懸念へ最大限配慮する覚悟のようなものをシェアできればと思い、こちらのブログを書かせていただきました。今後とも安心して、KARADA内科クリニックをご活用くださいませ。