梅毒

梅毒

梅毒は(Treponema pallidum)が引き起こす性感染症(性病)です。

日本では2010年以降に増加しており、様々な症状が起こります。感染後に症状がでても自然に回復し、その後長い期間体内に隠れ潜み、そのまま未治療だと晩期梅毒と言われる命に危険性がおよぶ病気となってしまいます。診断も治療も難しく、感染症専門医による治療が望ましい病気です。

感染初期(感染後10-90日)の症状

  • 陰部にしこり・赤みがある→初期硬結
  • 陰部に痛みのない傷・潰瘍・赤みができた→硬性下疳
  • 足の付け根にあるリンパ節が腫れた→リンパ節腫脹
  • 症状なし→無症候性梅毒

感染中期(感染後40-160日)の症状

  • 全身や手のひら、足の裏に赤いブツブツができた→バラ疹
  • 以前陰部にしこりがあったり、体にブツブツができたけど、今は消えた→無症候性梅毒、潜在梅毒

Ⅱ期梅毒:皮疹

Ⅱ期梅毒:皮疹

感染後期(感染後数年~数十年)の症状

  • 皮膚にできものができた→ゴム腫
  • 原因不明の動脈瘤や大動脈弁閉鎖不全症→心血管系梅毒
  • 目が見えにくい→眼梅毒

梅毒の詳細

感染経路
性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)
梅毒の病変部位と、正常な皮膚や粘膜が直接接触することで感染する→コンドームで覆えない部位に病変がある、もしくは触れると感染してしまうため、コンドームでも予防できない可能性がある!
潜伏期間
平均21日間(10-90日間)
検査方法
採血(リスクのある行為から約1か月後に受けられます)
診断
  • 血清診断(RPR、TPLA)

梅毒の治療方法

抗生物質の内服(2-4週間)

眼梅毒や内耳梅毒、神経梅毒にまでなってしまった場合には点滴での治療が必要になります。

注射の治療(ステルイズ)が新しく加わりました。詳しくはこちら

治療後の経過

採血の再検査を行います。「治った」といえる数値は治療前の数値と比較し判断するため、人により異なります。また、「治った」と言える時期も個人差があるため、治療効果判定のタイミングは人によって異なります。

梅毒の予防法

  • 予防薬
    ドキシペップという予防薬を服用することで感染を予防することができます。
  • コンドーム(オーラルセックスの際も必要)
    ★コンドームの使用をしても100%は防げません

記事執筆者

KARADA内科クリニック 五反田

院長 佐藤 昭裕

KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医。

総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。性感染症(性病検査)も専門とする。
「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。

東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。
-著書『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』
●日本テレビ スッキリに感染症専門家として毎週出演中 ●Yahoo!ニュース公式コメンテーター

認定資格

  • 医学博士
  • 日本感染症学会専門医・指導医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
  • 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
  • 日本エイズ学会認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 臨床研修指導医(厚生労働省)
  • 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)

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